ニュース分析 : 米インフレ抑止法の中身を調べてみた
ネットに落ちている調査レポートを読んだ記録のために、本ブログを記載していましたが、米インフレ抑止法はEVに与える影響が大きいので、ニュースを調べてみました。
拙い英語力で読解しているため、解釈に誤解があるかもしれません。ご理解願います。
<参照元>
https://www.congress.gov/bill/117th-congress/house-bill/5376/text
<概要>
- EV含むClean VehicleでにおいてTotal$7500の税額控除
- 控除を受けるための前提条件は以下
- 車両価格 : Passenger vehicle MSRP $55000以下 / Truck $80000以下
- 車両原産地 : North Americal(おそらくNAFTA圏)
- 年収 : $150,000/year以下(世帯主等、条件によって年収制約は上がる)
- バッテリーComponents / Mineralの原産地規制
- 特に複雑なバッテリーComponents / Mineralの原産地規制は以下の通り
- CBS newsの記事では、バッテリー条件を除く条件の達成で$3750の控除獲得、残りはバッテリーの原産地規制達成で獲得と記載されていた。しかし、BCGの分析資料や法案原文を見る限り、そうではなさそう。バッテリーのMineral / Componentsの達成でそれぞれ$3750を獲得出来るように解釈している。
<所感>
- 控除額最大額の$7500は非常に大きい。$7500分のインセンティブ予算を削れたとしたら、その分車両装備に予算を充てることもできるので、顧客にとっても非常に魅力的な政策であると思う。
- ただし、現状中国無しでEVサプライチェーンを構築することは非常に難しい。この控除額獲得条件を満たす車両が2023年以後に出てくるかは非常に怪しい。これから出てくるであろうEV新車の戦略に非常に大きな影響を与える。
- アメリカとFTAを結んでいる鉱物資源産出国は、カナダ、チリ、オーストラリア、ペルーぐらいだと思われる。リチウムは意外とボトルネックにならず、コバルト、ニッケル、グラファイトがボトルネックになるように見える。
- CATLやBYDといったバッテリーメーカーがバッテリー原産条件を全て満たして、アメリカでバッテリー組み立てを実施したら、これは条件に見合うのか非常に気になる。中国資本が入っていたらダメなのだろうか?
- 最近ドイツの首相がカナダを訪問していたが、このインフレ抑止法を踏まえて、ミネラルの確保をしているように思える。ミネラルだけでもなく、コンポーネントもNAFTA圏組み立てが必要となる。となると、ミネラルも取れ、コンポーネント組み立て条件が合致するカナダが鍵となるのでは?