ネットに落ちている調査レポートを読んでみたブログ

ネット上に公開されている調査レポートや論文を読んだ記録を書いています。

No.361 米国CES2022にみるテクノロジートレンド

発行組織 : 日本政策投資銀行(DBJ)

発行日 : 2022年2月17日

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https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/a04b5ad551b77623e284cc8ab289adc0.pdf

 

内容

  • CES2022のトレンド紹介
  • C-V2X(Cellular Vehicle to Everything)、メタバースバリューチェーンが注目点
  • V2Xでは、MobileeyeのEQ4による実走行データ収集が一例
  • メタバースでは、現代自動車が取り組む"メタファクトリー"という仮想空間上での工場運転シナリオ条件テストが一例
  • バリューチェーンでは、自動車というプラットフォームにMobile eyeやSONY等、様々なプレーヤーが様々な階層で参入している様相を紹介

所感

  • バリューチェーンの変化というのは、ひしひしと感じる。自動車メーカーが自前で持っていない飛び道具が自動車の機能を大きく向上させている。
  • 自動車のプラットフォーム化と言われるが、果たして短期間での高度化にユーザーがついて来れるのか、新ビジネスを構築出来るのかは懐疑的。むしろ、自分ではまだ想像がつかない。
  • 双方向的な情報のやり取りを可能とするプラットフォームは、PCや携帯、スマホで実現されてきた。移動手段であり続けた自動車がプラットフォームになり得るのか、まだ想像がつかない。また空間という側面に着目しても、プラットフォームになり得たパーソナル空間はまだ存在していないと認識している。つまり、自動車は空間・移動手段の両面で、新しいプラットフォームとなり得るのかもしれない。
  • しかし、自動車はあくまで移動手段。移動中に何か新しい体験が出来るようになるのか?
  • 自分自身としては、まだ絵姿を描けていないが、自動車業界はますます刺激的な業界になるのだろうと思う。遅かれ早かれ、恐竜絶滅みたいな大規模な変化が来る業界だとは思う。

電動化に伴う自動車生産のパラダイムシフト

発行組織 : Boston consulting

発行日 : 2021年6月

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https://web-assets.bcg.com/d1/a4/5502249c44ff93ac3f0f15f004e5/shifting-gears-in-auto-manufacturing-j.pdf

 

内容

  • 電動化に伴って、自動車生産は簡単になると思われているが、それは誤解
  • エンジンやトランスミッションの組み立ては確かに無くなるが、車体・塗装工程では大きな差は無いし、新しくモーターやバッテリーの組み立てが加わる
  • バッテリーは重量が重い&安全保安対応もあり、簡単に組み上がるものではない
  • バッテリーの出現により、自動車生産の競争力は車両の生産よりもバッテリーを如何に効率的に生産するかに移行する
  • ちなみに、ハイブリッド車は従来の内燃機関車の機構に加え、モーターやバッテリーも要するため、生産工数としてはEVやICE車よりも多い

所感

  • 自動車業界で働いている身としては、この論考は概ね同意
  • EVになったからといって簡単に組み立てられる訳ではない、燃えやすい電池という素材を多量に使うEVだからこそ気を付けるべき項目が増えてしまう
  • 自動車メーカーにとってみると、元々専門ではなかったバッテリーをどのように調達し、生産ラインに届けるかは腕の見せ所だと感じる
  • バッテリーそのものはコモディティ化しつつあるが、重量があるという特性により、サプライチェーンの組み方がチャレンジング
  • また、各国政府の思惑も絡み、バッテリーの地産地消化が求められるかも
  • その時々の情勢に自動車メーカーの判断が右往左往する時期が続くかもしれない

Five trends shaping tomorrow’s luxury-car market

発行組織 : Mckinsey

発行日 : 2022年7月

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www.mckinsey.com

内容

  • 小売価格8万USD以上のLuxuryセグメントは2031年までの間に、年率10%弱の成長を続ける。8万USD未満のメイン市場が停滞するとは大きな違い。
  • 成長のドライバーは中国。
  • Luxuryセグメントでも、SUV化、EV化、オンラインセールス(顧客個々人に応じた購買体験)といった変化が起こっていく
  • 特に購買体験では、オンラインによる明朗会計が求められる一方、個々人の要望に応じたきめ細かいサービスが必要
  • 特に中国では、装備や顧客体験に関する重き強い、内外装やドライブフィーリングを重視する欧米とは違う

 

所感

  • Luxuryセグメントについて語っていたが、SUV化・EV化・オーダーメイドな購買体験は大衆市場でも共通の課題有り。
  • 中国系完成車メーカーは土台が無いことを活用して、オンラインをフルに使ったオーダーメイド的な購買体験を築けている印象。既存の自動車メーカーも、古いしがらみを断ち切り、新しい購買体験をゼロから築いていかねば新しい顧客を獲得出来ないのでは?と感じた。
  • 一方、オンラインでの受注は常に待ちの姿勢となるので、営業が台数を市場に押し込むことは出来ない。オンライン受発注の世界は、魅力的な商品無しには成立し得ないと感じる。

中国自動車業界レポート(2022年6月)

発行組織 : みずほ銀行

発行日 : 2022年7月20日

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https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/cndb/economics/others/pdf/R425-0070-XF-0103.pdf

 

内容

  • 2022年6月は中国の自動車販売・生産ともに回復。

  • 1.6L-2.0LのICE車に対する減税策で該当セグメントが大きく伸長したという数字はまだ出てきていないが、今後注視したい。
  • 前年同月比較でみれば、BYD / TeslaといったEV勢が前年比+170%以上といった脅威的な伸長を見せている。

個人的所感

  • 中国におけるEVの伸長は半端ない。少なくともTier1都市では、もうEVか高級車しか乗れないのでは?という印象。
  • ICE車はTier2以下の地方都市を狙うしかない。
  • 日系メーカーとしては、地方都市においてアッパー志向がある層を狙っていくべきか。
  • 地方都市で稼ぐキャッシュを元手に如何に早くEVを導入していけるか?

挨拶

はじめまして、たけひごと申します。

世代はハンカチ世代、今やもうミドサーです。年取るの怖い。

働き始めてから、もう10年。仕事のネタ探しで、ネットに落ちている調査レポートや論文を読んでいますが、読んだ記録を残せていないので、残すために今更ながらブログを書き始めました。

よろしくお願いします。