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電動化に伴う自動車生産のパラダイムシフト

発行組織 : Boston consulting

発行日 : 2021年6月

リンク

https://web-assets.bcg.com/d1/a4/5502249c44ff93ac3f0f15f004e5/shifting-gears-in-auto-manufacturing-j.pdf

 

内容

  • 電動化に伴って、自動車生産は簡単になると思われているが、それは誤解
  • エンジンやトランスミッションの組み立ては確かに無くなるが、車体・塗装工程では大きな差は無いし、新しくモーターやバッテリーの組み立てが加わる
  • バッテリーは重量が重い&安全保安対応もあり、簡単に組み上がるものではない
  • バッテリーの出現により、自動車生産の競争力は車両の生産よりもバッテリーを如何に効率的に生産するかに移行する
  • ちなみに、ハイブリッド車は従来の内燃機関車の機構に加え、モーターやバッテリーも要するため、生産工数としてはEVやICE車よりも多い

所感

  • 自動車業界で働いている身としては、この論考は概ね同意
  • EVになったからといって簡単に組み立てられる訳ではない、燃えやすい電池という素材を多量に使うEVだからこそ気を付けるべき項目が増えてしまう
  • 自動車メーカーにとってみると、元々専門ではなかったバッテリーをどのように調達し、生産ラインに届けるかは腕の見せ所だと感じる
  • バッテリーそのものはコモディティ化しつつあるが、重量があるという特性により、サプライチェーンの組み方がチャレンジング
  • また、各国政府の思惑も絡み、バッテリーの地産地消化が求められるかも
  • その時々の情勢に自動車メーカーの判断が右往左往する時期が続くかもしれない